$og_type = 'article'; $og_image = !empty($article['eyecatch']['url']) ? $article['eyecatch']['url'] . '?w=1200&h=630&fit=crop' : ''; $og_published_time = $article['published_date'] ?? $article['publishedAt'] ?? ''; 価値共創ユニットとは何か。分業と連携をつなぎ直し、顧客価値を前に進めるための考え方 | TRANSIT DESIGN INC.

価値共創ユニットとは何か。分業と連携をつなぎ直し、顧客価値を前に進めるための考え方

価値共創ユニットとは、営業・商品企画・マーケティング・商品開発などが、顧客価値を起点に役割と判断基準を揃え、価値を見つけ、形にし、届けきるまでを前に進める実践単位です。分業と連携をつなぎ直す考え方を解説します。

CONTEXT

「部門連携が大事です」と言われて、しっくりこない会社は少なくありません。

営業と開発が連携しましょう。
マーケティングと商品企画がもっと話しましょう。
会議を増やして、情報共有を密にしましょう。

どれも間違ってはいません。
ただ、それだけで組織が前に進むなら、多くの会社はここまで苦労していないはずです。

実際には、会議は増えたのに前に進まない。
情報共有はしているのに、結局それぞれが自分の部門の都合で判断してしまう。
営業は「開発が遅い」と感じ、開発は「営業が無理を言っている」と感じ、商品企画やマーケティングはその間で翻訳と調整に追われる。そうした構図は、決して珍しいものではありません。

このとき問題なのは、仲が悪いことそのものではありません。
もっと本質的な問題は、顧客価値を前に進めるための仕事が、組織の中で分断されていることです。

価値共創ユニットとは、顧客価値を前に進める実践単位である

トランジットデザインでは、こうした状態を乗り越えるための考え方として、価値共創ユニットを重視しています。

価値共創ユニットとは、営業・商品企画・マーケティング・商品開発などが、顧客価値を起点に役割と判断基準を揃えながら、価値を見つけ、形にし、届けきるまでを前に進める実践単位のことです。

これは、単なる仲良しの部門横断チームではありません。
また、会議体を増やすための仕組みでもありません。
顧客にとって意味のある価値を、誰が、どの局面で、どんな役割を担いながら前に進めるのかを整理し、分業と連携を機能させるための考え方です。

価値は、最初から一つの部門だけでは定義できない

価値共創ユニットを理解するうえで大切なのは、価値は最初から一つの部門だけで完結しない、という前提です。

顧客のニーズをつかむのは、営業だけの仕事ではありません。
市場の変化や競合の動きを読むのは、マーケティングだけの仕事でもありません。
どの顧客に、何を、なぜ届けるのかを定義するには、営業が持っている現場の声、商品企画が持っている市場や戦略の視点、マーケティングが持っているターゲットや訴求の視点が、最初からつながっている必要があります。

つまり、価値共創ユニットとは、まず価値を定義する段階から複数部門の視点が必要であるという前提に立つ考え方です。

定義した価値を、どう形にし、どう届けるかまで設計する

一方で、価値は定義しただけでは意味がありません。
見つけた価値を、実際の仕様や体験に落とし込み、顧客に伝わる形にしていく工程も必要です。

商品企画が整理した価値を、商品開発が仕様や体験として形にする。
マーケティングが、それを顧客に伝わる表現や接点へ変換する。
営業が、顧客文脈に合わせて価値提案として届ける。
場合によっては、カスタマーサクセスが活用や継続につなげる。

この流れが切れてしまうと、せっかく定義した価値も、顧客に届くまでに別のものになってしまいます。
だからこそ価値共創ユニットは、「どの部門が何を担当するか」だけではなく、価値が途中で切れずに前へ進む流れを設計する必要があります。

価値共創ユニットは、3つのフェーズで考えると見えやすい

この流れは、大きく3つの段階で考えると分かりやすくなります。

ニーズの探索

市場や顧客が抱える潜在・顕在の課題を捉え、まだ形になっていない需要や問題の種を見つける段階です。

価値の創出

見つけたニーズに対して、どんな製品やサービス、どんな提供価値なら応えられるのかを設計し、形にしていく段階です。

価値の実現

設計した価値を顧客に正しく届け、活用され、対価を得られる状態までつなげる段階です。

多くの会社では、この3つの段階が組織の中で分断されています。
ニーズを見つける人と、価値を設計する人と、価値を届ける人が、それぞれ別の言葉で仕事をしている。
その結果、情報共有はあっても、顧客価値としてはつながらない。
これが、部門横断で動いているのに前進感が出ない大きな理由です。

価値共創ユニットは、この分断を乗り越えるために、探索・創出・実現を一つの流れとして捉え直す考え方でもあります。

分業を否定するのではなく、分業をつなぎ直す

ここで誤解してはいけないのは、価値共創ユニットが分業を否定するわけではない、ということです。
むしろ逆です。分業は必要です。専門性も必要です。
ただし、分業したまま切れてしまっては意味がありません。

営業は、顧客接点の中で何が起きているかを持ち帰る。
商品企画は、誰に、何を、なぜ届けるのかを定義する。
マーケティングは、どう伝え、どう接点を設計するかを整える。
商品開発は、価値を実際の体験や仕様に落とし込む。
必要に応じて、営業推進やカスタマーサクセスが、その流れを支え、再現性や継続性を高める。

それぞれの専門性を保ちながら、顧客価値の流れの中でつなぎ直す。
そこに、価値共創ユニットの意味があります。

組織図に新しい箱を増やす話ではない

言い換えれば、価値共創ユニットとは、組織図に新しい箱を増やす話ではありません。
既存の部門や機能を、顧客価値を中心に置いてどうつなぎ直すかという話です。

この視点を持つと、組織の問題の見え方も変わります。

営業の属人化は、営業個人の能力差だけの問題ではなく、顧客理解や価値提案を支える仕組みが不足している問題として見えてきます。
商品開発の遅さは、開発部門の努力不足ではなく、前段で価値の定義や判断基準が十分に揃っていない問題として見えてきます。
マーケティングの弱さも、施策の巧拙ではなく、誰に何を届けるのかが曖昧な問題として見えてきます。

つまり、価値共創ユニットという考え方は、個別の不満を構造の問題へと翻訳するためのレンズでもあります。

価値は、一人ではつくれない。だから、流れで考える

価値は、一人ではつくれません。
しかし、ただ人数を集めれば生まれるものでもありません。

必要なのは、
価値を見つける人、
価値を設計する人、
価値を形にする人、
価値を届ける人が、
それぞれの専門性を持ったまま、同じ流れの中で仕事ができる状態です。

トランジットデザインが考える価値共創ユニットとは、まさにその状態をつくるための考え方です。
部門をまたぐこと自体が目的ではありません。
顧客価値を、途中で切らさずに前へ進めること。
そのために組織をどうつなぎ直すか。そこに、この考え方の意味があります。

石村浩延

Written by

石村浩延

マーケティング・ファシリテーター

株式会社トランジットデザイン代表。 マーケティング伴走、採用・組織のストーリー設計、コンテンツ企画・制作を通じて、企業や地域、組織の見えにくい価値を言語化し、伝わるかたちへ整えることを仕事にしている。事業や組織の背景にある文脈を読み解き、営業・採用・発信などの接点をつなぎながら、実行につながる構造をつくることを得意としている。

まずは、現状を整理するところから。

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