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AI検索石村浩延

【DL資料付き】自社のAI検索結果を観測する方法ガイド

AIに10個の質問を順に投げたら、社名が並んだのは4問目からでした。悩みの段階では0/27、業者を尋ねた段階では26/27。自社がどの段階で候補になるかを、10分で確かめる手順です。

AI検索で自社がどう扱われているかは、特別なツールがなくても測れます。この記事に、そのまま使える質問を10個載せました。上から順に投げれば、自社がどの段階で候補になり、何を語られているかが10分で分かります。実測データは後半に置いたので、まず手を動かしてください。

用意するものは、AIのチャット画面だけです

ChatGPTかClaudeのどちらか。できれば両方を開いてください。答えが違うためです。

1.     新しいチャットを開く。過去のやり取りが残っていると結果が変わります

2.     できればシークレットウィンドウを使う。ログイン状態の履歴も影響します

3.     以下の質問文の「◯◯」を、自社の商材に置き換える

質問は必ず上から順に、1つのチャットの中で投げてください。途中から始めると、後半の質問の意味がなくなります。

質問1〜4|段階を上げていくと、ある地点で社名が出ます

買い手が業者を探すまでには段階があります。その段階を1つずつ上げていきます。

質問1 社員の離職が続いています。何から手をつけるべきでしょうか

質問2 管理職の育成を強化したいのですが、どんな方法がありますか

質問3 管理職研修を外部に依頼したいのですが、どう選べばいいですか

質問4 管理職研修を頼める会社を教えてください

業種を置き換える場合は、「悩み」「手段がまだ決まっていない」「頼み方を知りたい」「業者を教えてほしい」の4段階になるよう作ってください。

質問1から3で社名が出なくても、異常ではありません。ほとんどの場合そうなります。質問4で初めて社名が並びます。ここが候補枠です。自社が入っているかどうかを見てください。

質問5〜6|条件を1つ足すと、候補が入れ替わります

質問4と同じチャットで続けます。

質問5 予算300万円以内で、管理職研修を頼める会社を教えてください

質問6 北海道で、管理職研修を頼める会社を教えてください

金額と地域は自社の実態に合わせてください。質問4のリストと見比べて、何社が入れ替わったかを数えます。

「AIに載っている/載っていない」の二択ではありません。どの条件で候補になるかが分かれます。質問4では出たのに質問5で消える場合、その条件の下では候補に入っていません。

質問7〜8|出てきた説明を、5つに分けます

質問7 いま挙げてくれた会社を、それぞれ3行で説明してください

質問8 それぞれの実績と料金を、具体的な数字で教えてください

返ってきた説明を、次の5つに分けてください。1文ずつ、どれに当たるかを見ます。

内容

実績

誰に何を提供したかの実態

導入200社、受講者3万人、◯◯市との協働

価格

金銭その他の取引条件

1名3万円、最低10名から、納期2週間

手法

提供物そのものの形式・内容

ワークショップ型、2日間、講義とワークが4対6

体制

提供の前後にある支援

事前ヒアリング、実施後のフォロー、専任担当

特徴のみ

上のどれにも当たらない性質・評価語

大手、老舗、実績豊富、評判が良い

「実績豊富」は実績ではなく、特徴のみに入ります。数字も固有名詞もないためです。質問8で数字が返ってこない会社が多いはずです。自社がそちら側かどうかを確かめてください。

質問9〜10|社名を出して聞くと、別のことが分かります

質問9 株式会社◯◯について教えてください

質問10 株式会社◯◯の管理職研修の強みを、具体的な数字で教えてください

指名すれば、たいてい詳しく答えます。ここで安心しないでください。

買い手は社名を知らないから探しています。指名した時点で、買い手の状況とは別のものを見ています。質問9・10で分かるのは、AIが自社の情報を持っているかどうかであって、候補に挙げるかどうかではありません。

むしろ見るべきは差です。指名すれば詳しいのに質問4で出てこないなら、情報はあるのに推薦には使われていないことになります。

結果は、4つのどれかになります

起きたこと

意味

質問4でも社名が出ない

候補枠に入っていない

社名は出るが、説明が評価語だけ

枠には入ったが、語る材料が渡っていない

条件を足すと消える

特定の条件の下でだけ候補になっている

指名すれば詳しいのに、無指名では出ない

情報はあるが、推薦には使われていない

4つめが最も多いパターンです。そして、この4つは対処が別々です。1つめは候補枠そのものに入る話、2つめは語られる材料の話で、同じ施策では動きません。

実測でも、同じことが起きています

ここから先は、私たちが実際に測ったデータです。ご自身の結果と見比べてください。

段階を上げるまで社名は出ませんでした。3系列の相談を3つのAIで各3回、合計27会話にわたって続け、各ターンで社名が挙がった回答を数えたものです。

質問の段階

社名が挙がった回答

経営課題(悩み)

0 / 27

機能課題(手段が未定)

0 / 27

手段は決まった(頼み方)

0 / 27

調達(業者を教えて)

26 / 27

会話継続実験(S3)。各ターン27回答=3系列×3AI×各3回。同じ質問を独立して投げた対照群(S4)でも同じ値だった。調達ターンの内訳はChatGPT 9/9・Claude 9/9・Gemini 8/9。相談文の3系列は、筆者が支援する事業会社の顧客像をもとに設計している。

人材教育の業界調査でも同じ形が出ています。12シナリオ・197試行のうち、社名の出現があった試行は40。うち38はサプライヤー選定の2シナリオに集中し、残る2件は解決策探索の段階でした。それ以外の9シナリオでは出現がありません。

条件を1つ足すと、候補集合そのものが入れ替わりました。条件語を変えて同じ相談を投げ、登場した企業の種類数を数えたものです。

条件

登場した企業の種類数

無条件のときと共通

無条件

9

費用

15

8

実績×規模

18

5

手法

20

6

地域

21

3

体制

28

7

条件別推薦実験(S1)。条件語6種×3AI×各3回=54試行。各セルn=3のため率は出さない。地域条件では21社が登場し、無条件のときと共通する企業は3社だけだった。

語られる内容は、型によって具体性が大きく違いました。同じ実験の555ブロックを5つの型に分け、数字や固有名詞を含むかどうかを見たものです。

記述型

件数

抽象語のみ

手法

181

117

体制

125

92

実績

91

12

価格(契約条件)

70

8

条件別推薦実験(S1)。ほかに特徴のみが91件あるが、定義上、具体性を持たないため表から除いている。体制は125件中92件、手法は181件中117件が抽象語のみだった。実績と価格は逆で、数字を伴うものが大半を占める。

さらに、社名が挙がっているのに、その会社について何も語られていない試行もありました。会計SaaSの240試行では、該当したのが14試行(企業×試行では26件)。いずれも、AIが検索を実行していない試行で起きています。

この10分で分からないこと

・    1回の実行の結果です。同じ質問でも答えは変わります。気になる質問は3回投げて、変わり方を見てください

・    AIごとに違います。上の実測でも、調達ターンで社名が挙がったのはChatGPT・Claudeが9/9、Geminiが8/9でした

・    地域や時期でも変わります。1回の結果を固定的な順位だと考えないでください

・    なぜその会社が選ばれたのかは分かりません。回答からは結果しか見えません

・    AIが何を読んで答えたのかも、この方法では見えません。引用元が表示されない場合があり、表示されても中継用のURLに置き換わることがあります

数値はいずれも観測であって、因果ではありません。「条件を足すと候補が入れ替わった」は事実ですが、「こう書けば候補に入る」ことを意味しません。私たちは、候補に入らなかった会社のサイトとの比較をしていないためです。

測定の範囲も限られます。人材教育・組織開発、会計SaaS、印刷ECの3領域で、モデルはChatGPT・Claude・Geminiです。単一モデルで実施した調査も含みます。

調査の概要

ID

調査名

実施日

設計

モデル

S3・S4

会話継続実験・距離操作実験

2026-07-29

3系列×3AI×各3回=27会話・108ターン

3AI

S5

人材教育編 業界調査

2026-07-29

無指名12シナリオ×検索2層・197試行

Claude単独

S1

条件別推薦実験(人材教育)

2026-08-11

条件語6種×3AI×各3回=54試行・555ブロック

3AI

S2

会計SaaS編 遡及判定

2026-08-11

240試行に5記述型を遡及適用・767ブロック

Claude単独

記述型の判定は判定基準v2.1による。3AI=ChatGPT・Claude・Gemini。Claude単独の調査は claude-sonnet-4-6。末尾で触れるサイト側の観測(W1・W2)は、回答側を測った上記4調査とは別の軸のため、同じ表に並べていない。

次に測るもの

ここまでで分かるのは、AIが自社について何を語ったかです。分からないのは、その答えをどこから持ってきたかです。

AIが引用していたのは、たいてい誰かのサイトのページです。印刷ECと人材教育の2業界で、AIが実際に引用したページ133本を開き、そこに書かれていた1,496件の記述を1つずつ分類しました。

印刷ECで最初に分類した31本では、21本が1,500字未満で、5つの型をすべて備えたページは1本もありませんでした。自社サイトを同じ物差しで測る手順とあわせて、資料にまとめています。

資料をダウンロードする

サイト材料観測(W1・W2)。印刷EC81本・672ブロック(2026年8月16〜19日取得)、人材教育52本・824ブロック(同8月20〜21日取得)。判定基準v2.1-W。抽出方法・段階・閾値が異なるため、2業界の構成比は比較していない。人材教育では5つの型をすべて備えたページが6本ある。引用されなかったページと比べていないため、因果は主張していない。

なお、複数のAI・複数の段階・複数の条件で試行を繰り返し、引用元まで追う作業は、手作業では続きません。そこは診断でお受けしています。

石村浩延

Written by

石村浩延

マーケティング・ファシリテーター

株式会社トランジットデザイン代表。 マーケティング伴走、採用・組織のストーリー設計、コンテンツ企画・制作を通じて、企業や地域、組織の見えにくい価値を言語化し、伝わるかたちへ整えることを仕事にしている。事業や組織の背景にある文脈を読み解き、営業・採用・発信などの接点をつなぎながら、実行につながる構造をつくることを得意としている。

まずは、現状を整理するところから。

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