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AI検索石村浩延

AIに引用された印刷ECのページ31本のうち、21本は1,500字未満だった|AI検索対策(LLMO/GEO)で文字数を目標にしない理由

AI検索対策(LLMO/GEO)の実測。AIが引用したページを開いて本文の実質文字数を数えた。印刷ECでは第1バッチ31本中21本、第2バッチ50本中23本が1,500字未満だった。人材教育では見出しが63本あるページでも、その会社自身の記述は11本にとどまる。

AIの回答で引用されたページを実際に開き、本文の実質文字数を数えた。印刷ECでは、第1バッチ31本のうち21本、第2バッチ50本のうち23本が1,500字未満だった。人材教育では、見出しが63本あるページで、その会社自身について書かれた記述は11本にとどまっていた。情報量を増やすことと、運営者自身の記述が増えることは、同じではなかった。

何を測ったか|引用されたページを開いて、見出し単位に分解した

AI検索対策(LLMO/GEO)の調査では、回答に出てきた企業名や引用URLを数える。今回はその先に進んだ。引用されたページを実際に開き、そこに何が書かれているかを分類した。

対象は2つの調査である。印刷ECの個社調査で引用されたページを81本、人材教育・組織開発の個社調査で引用されたページを49本、それぞれ分類した。取得できなかったページは、印刷EC側で22本、人材教育側で3本ある。人材教育側の3本の内訳は、リンク切れが2本、robots.txtによる拒否が1本である。

各ページは、見出し(h2・h3相当)と配下の本文をひとまとまりとして切り分けた。この単位をブロックと呼ぶ。ブロックごとに、何を語っているか、どの程度具体的か、誰について語っているかを判定している。印刷EC第1バッチは195ブロック、人材教育は824ブロックになった。

本文の実質文字数は、グローバルナビ・サイドバー・フッター・商品リンクの一覧・法務表記を除いて数えている。ページの見た目の長さではなく、読める中身の量である。

母集団についての注記

本記事の母集団は、AIが回答で引用したページである。ただしGeminiについては引用URLが記録されておらず、母集団はChatGPT・Claudeの2AI分から構成されている。Geminiが引用しなかったのではなく、記録がない。

なお、記録がない理由は2つの調査で異なる。人材教育では引用URLが1件も記録されていない。印刷ECではGeminiの引用がすべてリダイレクタの形で返るため元のURLを復元できず、対象外としている。前者は未記録、後者は復元不能であり、同じ「2AI分」でも成り立ちが違う。

印刷ECでは、引用されたページの多くが1,500字未満だった

本文量を「少(1,500字未満)」「中(1,500〜5,000字)」「多(5,000字超)」の3区分に分けた。結果は次のとおりである。

本文量

第1バッチ 31本

第2バッチ 50本

少(1,500字未満)

18

23

少(ナビゲーション主体)

3

中(1,500〜5,000字)

9

18

多(5,000字超)

1

9

うち1,500字未満 計

21

23

第2バッチには「ナビゲーション主体」の区分がない。判定の途中で、この属性は本文量ではなく本文の構成を示す項目に移したためである。

第1バッチでは31本中21本、第2バッチでは50本中23本が1,500字未満だった。比率にすると68%と46%になる。

この2つを足して「81本中44本」と書くことはできない。第1バッチは推奨段階で2件以上引用されたページ、第2バッチはそれ以外のページで、母集団の性質が違う。第1バッチには複数のターンにまたがって引用されたページが9本含まれるが、第2バッチには1本もない。この9本という値は、ターン単位の付与作業が進行中のため未検算である。引かれ方の厚みが違う集合なので、常にバッチ別に見る。

もうひとつ開示しておくことがある。第1バッチの31本のうち6本は、分類した時点の全文を保持しておらず、構造メモからの推定である。この6本を除いた確定25本で見ると、1,500字未満は19本になり、比率は76%に上がる。

ただし、確定25本には「多」が1本もない。5,000字超の1本は暫定側にある。字数を主題にする以上、この偏りは書いておく必要がある。

見出しが63本あっても、その会社自身の記述は11本だった

人材教育側では、別の角度から見た。ページを見出し単位に分解したときのブロック数と、そのうち運営者自身について書かれたブロック数を、ページごとに対応させている。

指標

総ブロック数

運営者自身の記述

最小(0を除く)

3

1

最大

63

26

中央値

13

10

合計

824

508

52ページ。うち3ページは取得できず0ブロックのため、最小からは除いている。

総ブロック数に対して運営者自身の記述が極端に少ないページを5件挙げる。この基準で選んだページであり、母集団の傾向を示すものではない。

引用されたページ

総ブロック

運営者自身の記述

agaroot.jp(研修会社の比較)

63

11

agaroot.jp(新入社員研修の比較)

48

8

gaiasystem.co.jp(新人研修の解説)

42

9

grop.co.jp(研修代行の比較)

38

7

bm.cicombrains.com(研修効果の解説)

30

1

いずれも、一般的な解説や他社の紹介が本文の大半を占めるページである。運営者自身について書かれているのは、筆者プロフィール、実績の紹介、資料ダウンロードへの導線に限られる。最下段のページでは、30ブロックのうち1ブロックだった。サイト名を挙げているのは、読者が同じ数え方で自分のページを点検できるようにするためである。

ページの種別ごとに平均を出すと、この構造がはっきり出る。

ページ種別

ページ数

平均ブロック

平均網羅型数

比較記事(自社ドメイン上)

3

51.0

4.0

オウンドメディア記事(一般解説型)

7

17.6

2.4

導入事例・顧客インタビュー

4

16.8

4.0

サービス詳細ページ

10

12.8

3.6

網羅型数は、運営者自身の記述が5つの型(実績・価格・手法・体制・特徴のみ)のうちいくつに及んでいるかを示す。3ページ以上の種別のみ掲載。

一般解説型の記事と導入事例は、ブロック数がほぼ同じ(17.6と16.8)だが、型の網羅数は2.4と4.0で大きく違う。同じ量を書いていても、その会社の材料になっている部分の広さが違う。

型の網羅数は、ページの厚みに比例しなかった

ページを厚みで層に分け、それぞれの層が5つの型のうちいくつを持っているかを見た。ここで注意がいる。層を分ける基準が、印刷ECと人材教育で違う。印刷ECは運営者自身の記述の数、人材教育は総ブロック数で層別されている。同じ表に並べられないため、2つに分ける。

まず印刷EC。運営者自身の記述の数で層別している。

層(運営者自身の記述の数)

第1バッチ

第2バッチ

A:1〜5

2.3(15本)

2.2(18本)

B:6〜10

2.9(14本)

2.5(12本)

C:11〜20

3.5(2本)

2.7(16本)

D:21以上

2.0(3本)

各セルは平均網羅型数とページ数。第1バッチは記述の帰属を区分していないため、総ブロック数と同値である。

次に人材教育。こちらは総ブロック数で層別している。

層(総ブロック数)

ページ数

平均網羅型数

A:1〜5

3

2.3

B:6〜10

12

3.3

C:11〜20

22

3.7

D:21以上

12

3.5

印刷EC第1バッチは、記述が増えるほど網羅数も上がる。第2バッチはほぼ横ばいで、最も厚いD層が最も低い。人材教育はC層で最も高くなり、D層ではむしろ下がる。

「たくさん書けば型が揃う」という関係は、母集団を変えると成り立たなくなった。少なくとも、母集団を通じて一貫する関係ではない。ただし層別の基準が揃っていないため、3つを同じ土俵で比べたわけではない。ページ数の少ないセルもあり、それぞれの層の値を精度のある推定として扱うこともできない。

解釈|総量ではなく、取り出せる単位の問題かもしれない

ここからは当方の解釈であり、実測ではない。仮説として読んでほしい。

引用されたページに短いものが多いこと、長いページでも運営者自身の材料が増えていないこと。この2つを並べると、AIが見ているのはページの総量ではなく、必要な断片を取り出せるかどうかではないか、という見方ができる。1,500字未満のページが引かれているのは、そこに納期や金額のような、そのまま答えに使える単位の情報が置かれているからかもしれない。

ただし、これは検証されていない。決定的に足りないのは、引用されなかったページとの比較である。今回分類したのは引用されたページだけで、引用されなかったページが長いのか短いのかを測っていない。短いページが引かれやすいのか、そもそも短いページのほうが多いのかを区別できない。相関としても主張できない状態である。

実務への示唆|AI検索対策(LLMO/GEO)で長さを目標にしない

因果が検証されていない以上、施策として断定できることはない。書けるのは、点検の視点である。

1.     文字数を目標値にしない。少なくとも、引用されたページの側に「長いほうが有利」という傾向は出ていない。

2.     ページごとに「このページで自社について何を語ったか」を数える。見出しの数ではなく、自社に帰属する記述の数を見る。今回、両者が大きく乖離するページが複数あった。

3.     一般解説を主体としたオウンドメディア記事は、AI検索対策(LLMO/GEO)の材料としては薄くなりやすい可能性を織り込む。読者獲得の目的とは切り分けて評価する。

いずれも、ページを増やす前に、いま持っているページで何を語れているかを見る作業である。

この調査でわかっていないこと

この記事の数値には、次の制約がある。

1.     引用されなかったページと比較していない。したがって、短さと引用のあいだに関係があるかどうかは、相関としても言えない。

2.     引用元を記録できたのはChatGPTとClaudeの2つである。Geminiの引用は、人材教育では1件も記録されておらず、印刷ECではリダイレクタのため元のURLを復元できず対象外としている。いずれも引用がなかったのではない。この状態は調査ごとに違う。Geminiの一般的な性質ではなく、当方の別の調査では引用元が実在のドメインとして記録されている。AIごとの引用値を扱う場合は、どの調査の値かを必ず確かめる必要がある。

3.     印刷ECの第1バッチと第2バッチ、人材教育は、抽出方法・段階・閾値がいずれも異なる。構成比を直接比較できない。

4.     印刷EC第1バッチの6本は、本文量が暫定判定である。確定25本での値も本文に併記した。

5.     取得できなかったページがある。印刷EC第2バッチでは母数71本のうち21本、人材教育では8ドメイン・9URLが取得できていない。取得できないサイトの性質に偏りがあれば、母集団も偏る。

6.     分類した側は、各ページの引用件数を事前に知っている。盲検ではない。

7.     2つの領域、それぞれ1社を起点とした調査である。他の業界で同じ形になるかは測っていない。

8.     サイトは更新される。分類したのは2026年8月時点の状態であり、引用が発生した時点の状態とは限らない。

調査概要

項目

印刷EC

人材教育・組織開発

対象

個社調査で引用されたページ

個社調査で引用されたページ

母集団の定義

第1バッチ=推奨段階で出現2件以上/第2バッチ=対象一覧のうち第1バッチ以外

引用URLを全件展開し出現2件以上、うち役務の提供者と確認できたもの

段階

推奨段階に限定

限定しない

分類したページ数

81本(母数103本/第1バッチ31・第2バッチ50)

49本(母数52本)

ブロック数

第1バッチ195/第2バッチ431(一般商材・運営者自身の記述)・29(同人)

824(うち運営者自身の記述508)

引用元を記録したAI

ChatGPT・Claude

ChatGPT・Claude

判定基準

v2.1-W(サイト材料観測用)

v2.1-W(サイト材料観測用)

観測日・検算日

観測 2026年8月16〜18日

検算 2026年8月21日

本記事で「価格」と呼んでいる型は判定基準v2.1における金額中心の記述を指す。印刷EC側では後続の版で「契約条件」に改称され、納期・支払条件などを含む型に拡張されている。両者は同じ名前で同じ範囲を指していない。

この記事は、AI検索対策(LLMO/GEO)の実測調査シリーズの1本です。

石村浩延

Written by

石村浩延

マーケティング・ファシリテーター

株式会社トランジットデザイン代表。 マーケティング伴走、採用・組織のストーリー設計、コンテンツ企画・制作を通じて、企業や地域、組織の見えにくい価値を言語化し、伝わるかたちへ整えることを仕事にしている。事業や組織の背景にある文脈を読み解き、営業・採用・発信などの接点をつなぎながら、実行につながる構造をつくることを得意としている。

まずは、現状を整理するところから。

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