
Research Evidence
人材教育・組織開発領域におけるAI検索引用調査
無指名の購買相談で、AIがどの企業とコンテンツを回答・引用に採用するかを、人材教育・組織開発領域10社で検証した調査。会計SaaS領域で観察された「導入事例(C1)が引用されない」現象が、別領域でも再現するかを確認した。
調査条件
- 調査対象
- 法人向け人材育成・組織開発サービス10社(カタログ型5社・中間型3社・カスタム型2社)
- 使用モデル
- Claude Sonnet 4.6
- サンプル数
- 197
- 再現可否
- 一部再現可(傾向のみ)会計SaaS領域で観察された「自社サイト引用のC1導入事例が0件」という結果は、人材教育・組織開発領域でも再現した。一方、引用生態系全体は部分的な再現に留まり、単一モデルでの計測かつカスタム型サービスの事例引用は未検証。
- シナリオ
- Gartnerの6購買ジョブ × バイヤー文脈2種 = 12本。すべて企業名を含まない無指名質問。
- 事前固定
- 12シナリオは対象企業の選定・各社サイト調査より前に確定。対象企業の既存コンテンツへの過適合を避けた。
- 検索なし層
- 12シナリオ × 10試行 = 120試行。
- 検索あり層
- 高発動ジョブに対応する6シナリオ × 10試行、低発動ジョブに対応する6シナリオ × 3試行。設計78試行のうち1件が通信エラーで欠測し、実取得77試行。
- 引用判定
- APIレスポンスのcitationsブロックに含まれるURLを引用として判定。検索で取得されても回答から引用されなかったURLは含めない。
- コンテンツ分類
- URLパス構造等に基づく事前固定基準で、C1導入事例/C2比較・選定支援/C3ノウハウ・ガイド/C5製品・サービス公式/お知らせ/PDF/トップに分類。
使用した質問・プロンプト
- 従業員100名の会社で人事を担当しています。若手の離職が増えていて、上司によって指導のばらつきが大きいことが原因ではないかと感じています。何から手をつけるべきでしょうか。
- 従業員100名の会社です。これまで研修らしい研修をやってきませんでした。社員の成長を後押しする方法には、どんな選択肢がありますか。
- 従業員100名の会社で、はじめて管理職向けの育成プログラムを外部に依頼します。依頼する前に、こちらで決めておくべき条件を教えてください。
- 従業員100名規模で、はじめて管理職研修を外部委託します。どんな会社に頼むのがよいでしょうか。おすすめを教えてください。
- 管理職研修の委託先を2社まで絞りました。契約前に、本当に効果が出るかをどう見極めればよいですか。
- 管理職研修に年間300万円かけたいのですが、社長に「それで何が変わるのか」と聞かれています。どう説明すれば納得してもらえますか。
- 従業員1,000名の会社で人材開発を担当しています。階層別研修を毎年実施していて受講後アンケートの評価は高いのですが、現場の行動が変わりません。何が問題だと考えられますか。
- 従業員1,000名の会社です。10年以上続けてきた階層別研修を見直したいと考えています。どんなやり方が考えられますか。
- 従業員1,000名の会社で、形骸化した階層別研修を刷新します。外部パートナーを入れ替える場合、要件として何を定義すべきですか。
- 従業員1,000名規模で、長年使ってきた研修会社の見直しを検討しています。乗り換え先の候補になる会社を教えてください。
- 研修会社の乗り換えを検討中で、3社から提案を受けました。提案内容の妥当性をどう検証すればよいですか。
- 研修体系の刷新を役員会に諮ります。既存のやり方を変えることに反対も出そうです。どう合意形成を進めればよいですか。
仮説
- 無指名の購買相談という条件下では、導入事例が引用されないという現象は領域を問わず成立する。
- 引用の生態系(自社/第三者の比率、検索発動の購買ジョブ分布)は領域を超えて再現する。
- 選定条件が製品仕様では答えられず、実施プロセスや適用文脈にある領域(カスタム型サービス)では、事例が唯一の証拠となるため引用される。
実測結果
- 引用URL 延べ件数238件
- 自社サイト引用28件(11.8%)
- 第三者サイト引用210件(88.2%)
- 自社サイトのC1導入事例引用0件/28件
- 第三者サイトの事例型URL0件/210件/case、/works、/voice、/interview等の事例型URLを210件全件で確認した結果。
- 検索発動35件/検索あり層77試行
- サプライヤー選定での検索発動19件/19試行
解釈
- 無指名の購買相談という条件では、回答・引用の候補に上がった企業の導入事例(C1)は引用材料として選ばれなかった。このC1=0という結果は、会計SaaS領域でも観察されており、別領域で同型の結果が得られた。
- 検索の発動や引用のされ方は購買ジョブだけで決まるとは限らず、企業規模や導入・見直しといったバイヤー文脈にも左右される可能性がある。
注意事項
- 単一モデル(Claude Sonnet 4.6)による計測であり、他モデルへそのまま外挿できない。
- カスタム型2社(MIMIGURI・ミテモ)は197試行を通じて回答への出現が0件で、事例引用の可否を判定する前段階で脱落した。カスタム型サービスの事例が引用されるかは未検証。
- カスタム型2社は比較メディア掲載を基準とした機械的選定ではなく、仮説Cの観測対象として意図的に追加した。
- 低発動3ジョブは各3試行に縮小しており、検索発動率の精度は高くない。
- B4-search-3の1件が通信エラーで欠測。設計198試行に対し実施197試行で、欠測率は0.5%。
- コンテンツ種別判定にはURLパス等に基づく分析者の判断が含まれ、特にC2とC3の境界には解釈が入る。
- 各セルの試行は標本観測であり、施策実施後の再測定による因果検証ではない。
関連する買い手の検討段階
- 信頼される
- 比較・社内説明できる
研修や組織開発を検討する買い手が、生成AIに相談したとき、自社は候補に挙がるのか。この問いに、私たちはこの業界で4つの調査を実施してきた。分かったのは、会社名が出る場面が調達の段階に集中していること、買い手が付ける条件で候補がほぼ入れ替わること、そしてAIが検索を実行するかどうかで挙がる企業の順位が変わることである。本稿は、この業界に限定して実測データを整理する。
この業界で行った4つの調査
本稿で扱うのは、いずれも人材教育・組織開発領域を対象とした実測である。設計が異なるため、調査をまたいで数値を比較することはできない。それぞれ独立して読んでほしい。
表1 本稿で用いた4調査
調査 | 実施 | 設計 | 規模 |
会話継続実験・距離操作実験 | 2026-07 | 買い手の相談を4段階に分け、3AIで実行 | 各ターン27回答 |
業界調査 | 2026-07 | 無指名12シナリオ×検索2層、判定モデル1つ、追跡10社 | 197試行 |
個社診断 | 2026-07 | クラスタ×段階×質問型、3AI、対象1社の言及を判定 | 72回答 |
条件別推薦実験 | 2026-08 | 相談文の条件語だけを6種類に差し替え、3AIで実行 | 555件の記述 |
調査対象企業はすべて匿名とする。会話継続実験の相談3系列は筆者が支援する事業会社の顧客像をもとに設計しており、その会社に関わりの深いテーマでの測定である。業界調査の追跡10社のうち2社は、機械的な選定基準ではなく調査者が意図的に加えたものである。個社診断はクライアント企業の診断であり、指名質問のシナリオは対象企業の事例を読み込んだ後に設計されている。
1|会社名が出る場面は、調達の段階に集中していた
研修会社を探す買い手は、いきなり「研修会社を教えて」とは書かない。まず組織の課題を相談し、打ち手を探し、進め方を考え、それから業者を探す。この流れをそのまま4段階に分け、3つのAIで実行した。
表2 相談の段階と、業者名が挙がった回答数
質問の型 | 会話継続 | 単発実行 | AI別(ChatGPT・Claude・Geminiの順) |
経営課題(悩み) | 0 / 27 | 0 / 27 | 3AIとも0/9 |
機能課題(手段が未定) | 0 / 27 | 0 / 27 | 3AIとも0/9 |
手段は決まった(頼み方) | 0 / 27 | 0 / 27 | 3AIとも0/9 |
調達(業者を教えて) | 26 / 27 | 26 / 27 | 9/9・9/9・8/9 |
会話継続実験・距離操作実験(2026年7月29日)。3系列×3AI×各3回で各ターン27回答。回答本文からの判定のため3AI横断で比較できる。
前半3段階は、3つのAIすべてで0件だった。会話を続けても、単発で聞いても同じである。
この業界の担当者にとって重要なのは、3段階目である。ここで買い手はすでに「管理職研修をやろう」と決めており、どう進めればよいかを相談している。それでも業者名は出ない。手段が決まった時点ではなく、買い手が業者を尋ねた時点で枠が開く。
別の設計の調査でも、同じ方向の結果が出ている。無指名の12シナリオで測ったところ、追跡していた10社の登場は、サプライヤー選定の2本と解決策探索の1本にしか発生していない。要件定義、検証、問題特定、合意形成の質問では0件だった。
ただし2つの調査は完全には一致していない。会話継続実験では手段が未定の段階で0件だったのに対し、業界調査では解決策探索で2試行の登場があった。調達に近い段階に集中する点は共通しているが、その手前の扱いは食い違っている。設計が違うため、どちらが正しいとは言えない。
2|検索が発動する質問と、しない質問がある
もう1つ、質問によってAIの動作自体が変わる。業界調査では、検索ツールを渡した層で、AIが実際に検索を実行したかを記録した。
表3 シナリオ別の検索発動(検索ツールを渡した層)
シナリオ | 購買ジョブ | 買い手の状況 | 試行数 | 検索が発動 |
A3 | 要件定義 | 100名・新規導入 | 10 | 0 |
A4 | サプライヤー選定 | 100名・新規導入 | 10 | 10 |
A5 | 検証 | 100名・新規導入 | 10 | 3 |
B3 | 要件定義 | 1,000名・見直し | 10 | 9 |
B4 | サプライヤー選定 | 1,000名・見直し | 9 | 9 |
B5 | 検証 | 1,000名・見直し | 10 | 1 |
業界調査(2026年7月29日)。判定モデルは1つ。両層でn≧9の6シナリオに限定した値。検索を渡さない層では構造上ゼロとなるため含まれない。
サプライヤー選定では、ほぼ全試行で検索が発動している。一方、100名規模の新規導入で要件定義を相談したケース(A3)では、10試行すべてで検索が起きなかった。
注目すべきはB3である。1,000名規模の見直しで要件定義を相談したケースでは、10試行のうち9試行で検索が発動している。同じ要件定義でも、買い手の状況によって動作が違う。それでいて、追跡対象の10社は両層を通じて1件も登場しなかった。調べていることと、会社名を挙げることは別である。
実務的には、ウェブ上の情報を整備しても、検索が発動しない質問には届かない可能性がある、ということになる。
3|買い手が条件を1つ足すと、候補がほぼ入れ替わる
枠が開いたとして、次はそこに自社が入るかである。相談文の条件語だけを差し替え、業種も課題も依頼の形も固定して測った。
表4 条件語ごとに登場した企業の種類数と、無条件時との重なり
条件 | 登場企業の種類数 | 無条件時と共通 | 当該条件のみ |
無条件(統制) | 9 | - | - |
実績×規模 | 18 | 5 | 13 |
費用 | 15 | 8 | 7 |
地域(大阪) | 21 | 3 | 18 |
体制 | 28 | 7 | 21 |
手法 | 20 | 6 | 14 |
条件別推薦実験(2026年8月11日)。3AIを横断した企業種類数で、AI別の内訳は集計上存在しない。各セルn=3のため件数表記とし、率には換算しない。
地域の条件を足した場合、登場した21社のうち無条件時と共通するのは3社だけだった。18社は地域条件でのみ現れている。逆に、無条件時に挙がっていた9社のうち6社は姿を消した。
体制の条件では28社が挙がり、最多である。研修の設計から実施後のフォローまで、提供の周辺を尋ねると候補が広がる。
この業界の担当者にとっての含意は、名簿が1つではないということである。「AIに聞いたら自社が出た」という確認は、その相談文に付いていた条件でしか成立しない。買い手が費用を気にしているのか、近さを気にしているのか、体制を気にしているのかで、比べられている相手が違う。
4|AIがこの業界の企業について語る内容は、5つに分かれる
候補に挙がった後、AIはその企業について何を語るのか。回答から企業に触れた記述を1件ずつ切り出して分類したところ、5つの型に収まった。
表5 記述型別の件数と具体性
記述型 | 件数 | うち数量あり | うち固有名詞あり | うち抽象語のみ |
手法 | 181 | 21 | 43 | 117 |
体制 | 125 | 23 | 10 | 92 |
実績 | 91 | 73 | 6 | 12 |
特徴のみ | 91 | - | - | - |
契約条件 | 70 | 58 | 4 | 8 |
条件別推薦実験。3AIを横断した値で、AI別の内訳は集計上存在しない。各セルn=3のため件数表記。特徴のみは定義上、具体性を持たない。型別件数の合計558は判定除外3件を含む生の値で、集計母数は555件。判定基準v2.1による(「価格」はv2.2で「契約条件」に改称)。
最も多いのは手法で181件。研修の形式、期間、構成といった記述である。次いで体制が125件で、事前のヒアリングやカスタマイズ設計、実施後のフォローがここに入る。
具体性を見ると、型による差がはっきりする。実績は91件のうち73件が数量を伴っていた。受講者数、導入社数、年数といった数字である。契約条件も70件のうち58件が金額を伴う。
対照的に、手法は181件のうち117件、体制は125件のうち92件が抽象語のみだった。「実践的なワークショップ形式」「自社に合わせてカスタマイズできる」といった記述は、数字がなくても型として成立する。
そして「特徴のみ」が91件ある。「大手」「実績豊富」といった評価語だけで、比較の材料にならない記述である。名前が挙がることと、選ぶ理由が語られることは別だという意味になる。
注意点を1つ。「実績豊富」が実績ではなく特徴のみに分類されるのは、判定基準が「数量または固有名詞があれば実績、なければ特徴のみ」と定めているためである。これは分類の定義からの帰結であって、AIがそう判断したことを示すものではない。
5|検索の有無で、挙がる会社の順位が入れ替わる
業界調査では、AIに検索ツールを渡さない層と渡す層に分けて、同じ質問を投げた。追跡対象は10社である。
表6 検索の有無による登場試行数(追跡10社)
社 | 検索なし層での位置 | 検索なし(母数60) | 検索あり(母数59) |
社A | 1位 | 18 | 18 |
社B | 2位 | 16 | 2 |
社C | 3位 | 13 | 18 |
社D | 4位 | 6 | 13 |
社E | 5位タイ | 5 | 13 |
社F | 5位タイ | 5 | 1 |
社G | -(0件) | 0 | 4 |
社H | -(0件) | 0 | 1 |
業界調査。単位は試行数。社の記号は検索なし層の登場試行数の順に振ったもので、企業の規模・社歴・知名度とは無関係である。両層の試行数がほぼ揃う6シナリオに限定した値。追跡対象10社のうち集計に行を持つのは8社で、残る2社は両層とも0件である。
社Bは検索なしで16件だったのが、検索ありでは2件に落ちた。逆に社Dと社Eは伸び、検索なしでは0件だった社Gと社Hが検索ありでは現れている。社Aだけは両層とも18件で動いていない。
最も示唆的なのは社Eと社Fである。検索なし層ではどちらも5件で同じ位置にいたのに、検索ありでは13件と1件に分かれた。片方の層だけで測っていたら、この2社を同じ評価にしていたはずである。
この業界で自社の位置を測るなら、検索の有無を分ける必要がある。片方だけの結果は、もう片方を予測しない。
6|個社で測ると、指名と無指名の差が出る
業界全体ではなく、1社を対象に測るとどう見えるか。この業界のある企業について、社名を含む質問と含まない質問を分けて実行した。
表7 ある1社の質問型・段階別の言及
段階 | 質問型 | 回答数 | 自社の言及 | 定義リスト内の競合検出 |
課題認識 | 無指名 | 27 | 0 | 2 |
比較検討 | 無指名 | 18 | 3 | 14 |
直前確認 | 無指名 | 3 | 0 | 3 |
指名 | 社名あり | 9 | 9 | 4 |
離反防止 | 社名あり | 9 | 8 | 6 |
マルチターン | 会話形式 | 6 | 0 | 5 |
個社診断(2026年7月21日)。3AI、各セルn=1のため件数表記とし、率には換算しない。競合検出は事前に定義した11社のリストとの照合であり、リスト外の企業が出ても数えられない。対象企業は匿名とする。
社名を含む質問(指名と離反防止)では18回答中17回答で自社が言及されている。一方、社名を含まない3段階(課題認識27・比較検討18・直前確認3)を合わせた48回答では、言及は3回答だけだった。同じ会社を、同じ3つのAIで、同じ時期に測っている。違うのは質問文に社名が入っているかどうかだけである。
段階で見ると、課題認識では自社0件に対し競合2件。比較検討では自社3件に対し競合14件である。買い手が候補を絞り込んでいる段階で、競合は14件挙がり、自社は3件だった。
なお、この調査の指名質問は対象企業の事例を読み込んだ後に設計されており、質問が自社のコンテンツに寄っている可能性がある。指名の高い言及数は、この影響も含んだものとして読む必要がある。
7|語られる型の数と登場回数には段差があるが、因果ではない
条件別推薦実験に登場した企業を単位として集計し直すと、語られた型の数と登場試行数に関係が見えた。
表8 語られた型の数と登場試行数
語られた型の数 | 該当社数 | 登場試行の中央値 | 登場試行の最大 |
1型 | 14 | 1 | 2 |
2型 | 29 | 1 | 3 |
3型 | 14 | 2 | 4 |
4型 | 8 | 5 | 10 |
5型 | 6 | 18 | 48 |
条件別推薦実験。555件から企業単位で集計。対象は語られた型が1つ以上あった71社で、名前は挙がったが記述がなかった企業は含まれない。3AIを横断した値。
3型以下は中央値が1から2にとどまるのに対し、4型で5、5型で18になる。段差は3型と4型の間にある。
ただしこれは相関であり、因果ではない。「よく登場する企業だから語られる型が揃った」という逆向きでも、「規模の大きい企業ほど型も登場も多い」という第三の要因でも、同じ数字になる。しかも5つの型を満たしながら登場の少ない企業が現にいる。型を埋めれば登場が増えるとは言えない。
この数字は、自社の現在地を知る指標としては使える。だが施策の根拠にはできない。
この業界で自社を測るときの設計
第一に、相談文を調達の形で作る。悩みの相談で測って「出ない」と判断するのは、枠が開いていない場所を見ているだけの可能性がある。
第二に、社名を含めない。社名を含む質問は、AIが自社について語る内容の正確性を点検する用途に限る。露出の測定には使えない。
第三に、条件を振る。費用、地域、体制、手法、実績。買い手が付けそうな条件ごとに、別々に測る。この業界では条件によって候補が大きく入れ替わっていた。
第四に、検索の有無を分ける。同じ会社が層によって上位にも下位にもなる。
第五に、登場した回答を読む。名前が挙がった回数だけでは、何を語られたかが分からない。5つの型に分類して、どの型が語られ、どの型が欠けているかを見る。
第六に、複数のAIで測り、合算しない。AI別に並べたまま読む。
第七に、施策より先に測る。効果が証明された施策はこの領域に存在しない。現在地の記録が、いま確実にできる投資である。
この業界について、わかっていないこと
因果は検証していない。本稿のどの観測も、企業側が何かを実施してから再計測した設計ではない。「こうすれば挙がる」とは言えない。
「選ばれる」ことも測っていない。AIの回答に挙がることが、実際の商談や受注につながるかは分かっていない。
nの制約がある。条件別推薦実験は各セルn=3、個社診断は各セルn=1である。業界調査は判定モデルが1つで、他のAIで同じ挙動になるかは測っていない。
この業界の全体像ではない。業界調査の追跡対象は10社、条件別推薦実験に登場したのは71社である。この業界の企業すべてを網羅した調査ではない。
時点の制約がある。すべて2026年7〜8月の測定であり、モデルの更新によって結果は変わりうる。定点観測として繰り返すことを前提にした数字である。
調査間の比較はできない。本稿の各表は設計・試行数・AI構成・質問型が異なるため、独立して読む必要がある。
クライアント関与のある調査が含まれる。会話継続実験の相談3系列は支援先企業の顧客像に基づき、個社診断はクライアントの診断で指名質問に過適合がある。業界調査は対象2社が意図的な追加である。条件別推薦実験は対象企業を事前指定しない一般設計で、紐づきはない。
Written by
マーケティング・ファシリテーター
株式会社トランジットデザイン代表。 マーケティング伴走、採用・組織のストーリー設計、コンテンツ企画・制作を通じて、企業や地域、組織の見えにくい価値を言語化し、伝わるかたちへ整えることを仕事にしている。事業や組織の背景にある文脈を読み解き、営業・採用・発信などの接点をつなぎながら、実行につながる構造をつくることを得意としている。
まずは、現状を整理するところから。
無料相談受付中。1〜2営業日以内にご連絡します。